12/25 TBSで放映されました。「新潟の市民団体、原発県民投票を請求」

日本には現在、50基の原発が存在しますが、稼動しているのは関西電力・大飯原発の3、4号機のみです。一方、新潟県の柏崎刈羽原発。東京電力の再建計画では、来年度中の再稼働が前提となっています。新潟県ではこの再稼働の是非を問う県民投票の実現を求め、市民団体が直接請求を行いました。

「十分にご審議いただきますよう、よろしくお願い申しあげます」

手渡された新潟県民6万8000人分の署名。市民グループの代表・橋本桂子さんは、原発稼働に関して「政治が民意をうまく汲み取れていない」と感じてきたといいます。

「こんにちは。署名よろしくお願いします」(「みんなで決める会」橋本桂子共同代表)
「(柏崎刈羽原発は)新潟県にあるものだから」

県民投票を実現するためには、まず、“条例の制定”が必要となります。橋本さんたちは、それを実現するための署名活動をかねてから続けてきました。必要な署名数は、有権者の50分の1=およそ4万。それを2か月間で集めなければなりません。

署名活動最終日の夜、事務局に戻り、これまで集めた署名を数えます。
「7万はいった。良かった」(橋本桂子共同代表)

その後の審査で、有効署名数はおよそ6万8000と、必要数を大きく上回りました。これを受け、条例案制定の直接請求を行い、県議会での採決へと進みます。賛成多数で可決されれば県民投票は実施されることになりますが、否決されれば県民投票は行われません。

実は、今年に入ってから同様の直接請求が全国で相次ぎました。しかし・・・。
「市長と市議会が何をするのか義務づけてもらえるものでないと、費用がもったいない」(大阪市・橋下徹市長〔2月〕)
「ただ観念的に(原発の)是非のみを問うことで、その場しのぎに逃げて国民に判断を任せてしまうことではない」(東京都・石原慎太郎知事〔6月当時〕)

大阪市、東京都、静岡県と3件続きましたが、ことごとく否決されました。新潟県で採決権をもつ党の議員たちは・・・。
「意見を聞いてほしいということなら、直接来ていただいて意見を言ってもらって、受け止めができるようなら県政の中で反映していくと。常にやってますから」(民主党新潟県議会・市川政広議員)
「エネルギー問題は国策で、地方だけでやれる問題じゃない」(自民党新潟県議・早川吉秀議員)

議員との対話が上手く進まない中、橋本さんたちはある人物に助言を求めました。出迎えたのは、笹口孝明さん。同じ新潟県の旧巻町で原発計画が進行しつつあった90年代半ば、全国で初めてその賛否を問う住民投票条例を制定・実施した人物です。

「一番の焦点は原発問題。それを避けて通る議員は欺まんだ」(笹口孝明さん〔1996年当時〕)

住民投票の結果は、原発反対が過半数を超え、町長になった笹口さんは最終的に原発計画を中止させました。
「議員に(住民投票を)認めてしまうと何でも住民投票になるといわれる」(橋本桂子共同代表)
「住民投票させたくないという結論がある。そういう理屈の議員は、住民投票されると自分に都合の悪い人」(笹口孝明・元巻町町長)

笹口さんは、「原発県民投票条例案の議決で、各々の議員が賛否のどちらに立ったのか、県民に知らせることが必要だ」と橋本さんに助言しました。

そして迎えた25日。
「議会を熟議の場としてほしい。審議について県民に公開してほしい」(橋本桂子共同代表)
「真摯に受け止め、対応していきたい」(新潟県・泉田裕彦知事)

泉田知事は、以前から述べていた文言を再び繰り返しました。このまま行けば、来年の早い時期に県民投票条例の採決が行われます。県民は、議会の判断に注目しています。(25日20:18)

TBS Newsi


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